コンセプト
作業に関しては初めてのお客様の時は畳の状態を確認するためにお客様宅での作業は避けさせていただきます。
理由は畳が本ワラ畳床か建材床かを確認する必要が有るからです、これは畳が建材床だときれいに仕上げるには畳専用の工業ミシンで加工する方がきれいに仕上がりますし、薄い建材床だと加工方法が常態により難しい時が有るからです、又最近は作業スペースや駐車違反の取り締まりが厳しくお客様宅での作業が困難になりつつあります。
畳の加工の新畳(床も交換)・表替え・裏返しとは?
新畳に入り替えとは畳が腐るや非常に柔らかく再加工に不向きな時に畳床から全部交換することです、これに対して畳の表替えは畳の表面の畳ゴザを縁と共に交換する事です、裏返しは今ついている畳表を外し裏面を表面にして縁を新しい物に交換することです。
表替えと裏返しを繰り返し、最短で3年で私は5年~7年程度でをお勧めします。ごくまれに新しい畳か表替えをして10年目以上で畳の裏返しを希望される方もいますが畳表の裏面の色合いが良くない状態に変色していることも多くあります、そのほかとしても油のシミや化粧品のシミなど様々な理由で表面的に見えなくても裏返しをするとシミが現れることが有るので汚れたシミが少ないうちに裏返しは5年程度をお勧めします。
*新畳(畳床)に交換する時に古い畳床の処分には費用が掛かります特に問題なのが建材床や建材表(和紙畳表)で建材床はメーカー不明だと専門業者に依頼する事になり、一流メーカーでは指定の方法で素材別に分類して所定のルートで指定工場に有料で送り出す必要が有ります、又本畳床[ワラ床]は受け入れ可能な牧場や農家に有料で引き取ってもらうか各自治体のごみ処理場に処理費を支払い指定枚数以内で運び込むか家庭菜園で利用される方にお分けしています。
建材表(和紙畳表)はメーカーによる回収ルートが存在しないのに対して指定資源ゴミとする自治体も増え高額な産業廃棄物処理扱いとなります。
畳材
当店は国内産の畳表と中国産畳表をお客様のご希望でご予算や条件に合わせてご用意します、また畳を新しく製造して古い畳の床と言う土台[アンコ]を可能な限り修理、交換を状況に応じています。
最近は知られていませんが畳は米ワラを原料にして作る畳床で最低40年程度以上の耐久性が有り、その表面の畳表に縁が付いてます、すき間や凹みの修理を畳の再加工[畳の表替え・裏替え]の時に各畳店は実施しています、又これに対して建材床はメーカーでの原料の違いが有りますが約10年~15年程度とされています。
畳表はイ草と言う水田で育成され天然の珪藻土で泥染と言う作業を経て乾燥、専用の機織り機で織り上げられます。
これに対して琉球畳[縁なし畳]はイ草を使わず七島表[シチトウ草]を使うのが本物ですが近年は代替品としてイ草を使った目セキ表を琉球畳として住宅雑誌や関連雑誌で紹介されています、ただココでは琉球畳を七島表畳としていますが沖縄県はビート表を琉球畳となり本来の琉球畳はビート表を指し、七島表は青・シチトウ表で柔道畳はこの七島畳を言い時代劇での長屋の畳と言うと七島畳です。
最近は和紙の畳表が増えていますがこれは不織布マスクと同じ合成繊維で作り上げた物です、決して楮や各種植物のような天然植物由来では有りません。
畳床は本藁畳床[米ワラ]100%をベースに作られる他、サンドイッチとよく言われるポリスチレン発泡をワラの間に挟んだ物〔発泡スチロールがリサイクル法施行により特注生産〕、建材床と言う木材を原料に加工整形してポリスチレンを挟んだ物とポリスチレンを挟まない物に、建材床は本来の6㎝・55㎜に対し30㎜も最近のハウスメーカーの希望で15㎜と各種建材メーカーから供給された物が有ります。
畳の基本サイズは関東間(五八間)長さ1.760{1757.574}幅880{878.787}・関西間(京間)長さ1910幅955、床の厚は60㎜か55㎜(米ワラ床基準)を中心に材料も製造供給されています、建材床「畳床ボード」は基本と異なる厚みが存在します。 当店は一般的流通量の多いにダイケン畳床ボードの3型〔サンドイッチ〕と米ワラ床の55mmと60mm仕上がりにダイケン畳床ボード60・30mm、15mm健やか畳床 座スリム15・健やか畳床 座スリムZ〔床暖用〕実際には15mm程度に仕上がります〔15mmは加工に時間がかかり〕。 昔の日本家屋は基本サイズ[地域により異なる]を元に量産規格化され異なる建物の古建材[襖・障子・畳・その他木材の多く]でも転用再利用が可能でした。
JAS[日本農林規格・農産物資の規格の規格化等に関する法令]
畳表のJASは法令に基づいて農林水産大臣により認定されている登録認定機関は登録事業者の育成と審査及び適正化を目的に各広島県・熊本県・福岡県の推薦により認定された機関で広島県い業会館は広島県下、熊本県い業協同組合は熊本県下、株式会社日本畳表認定協会は広島県・熊本県・福岡県の業者の登録や指導育成と定期講習をしています、これらに登録していない業者は存在して居ませんし、認定証明書は指定された日本工業規格(JIS規格)の指定する規格に基づきシールに指定内容の印刷文字や全国の計量協会に登録し法令に基づき認定時に使用する計量器の定期検査を受ける必要が有ります、(計量検定合格シール)がガソリンスタンドにも張られています。これらの条件で事業所が指定県住所内「広島県・熊本県・福岡県」で設備を固定し検査を実施し定期講習と定期検査などの条件を満たす必要が有ります、記載内容はイ草の種類・等級・縦糸の種類・原料イ草の産地名・製織地(県名)・認定機関(登録機関)・格付日・格付認定業者名の全ての記載された指定の一般JASマーク入りシールとしシールは登録認定機関が管理発行する物になります。
イ草の一般的な畳表認定検査だけで国産も中国産も基準を満たすと検査の上認定されますから中国でもJASの認定シールは貼られています(目セキ表「琉球」・市松表・シチトウ表「本琉球」などその他は対象外)。有料の検査ですからお値段に反映されます
元は林野庁が認定検査していましたが産地の各県に移管しその後に代行をしていたのが登録認定機関となります、県職員が検査していた時は月に数回各県を移動して県職員が共同で検査をしていたと言いますから検査実施日は産地の会場は大行列で時間内に全ての検査が出来ない状態だったと言うことで偽物が全国で大量に出回ったそうです、その結果として本物の数十~数百倍の偽JAS認定印鑑を打った畳表が現れたそうです、今も偽装の多くは偽装印鑑を使用しているのが特色です。
畳表
イ草は現在国内で熊本県・広島県・福岡県・佐賀県の水田で作られて秋に田植えをして6月から7月に刈り入れられその後天然の珪藻土で泥染の後に乾燥して7月下旬に品評会をして8月後半に畳表として本格的に出荷が始まります。
中国産畳表も製造は同時期ですが協定により中国からの初出荷は9月1日に決められています、近年中国の工業化と都市化で農村からの農業離れや中国政府は食糧自給率の低下で食糧増産を目的に政府のコメ・大豆・小麦・トウモロコシの買い入れ価格引き上げからイ草の生産を辞める農家やより高額農産物に切り替える農家も増え、中国でのイ草農家は激減し畳表工場は乾燥機に石炭ボイラーを使用していましたが環境対策「CO2・PN2.5」として厳しい規制により軍による極端な取締により強制廃業「工場の爆破解体」が話題です、最近は灯油ボイラーも規制が強化されています。
市松畳表「チッェク柄の畳」
市松表は穂先と根本の色の違いを利用して柄を出すものです、そのためやや強度が低いと言われています、市松表は柄が広くなるほど長い草を使用するためお値段も高く、中心部になるほど薄く中心には柄が有りません、一方で人工畳表の和紙畳表は全体に柄が有ります。
シチトウ畳表「琉球畳・柔道畳・青・シット畳」
国内では大分県の数軒の農家が工芸品ようと畳向けに作られていますが年間生産利用が少なく多くは地元の工芸用品向けに、畳には生産量が極めて少なく注文生産となります「発注後に納品まで一年の可能性も有るため未定となります]、このため最近はシットウ草が野生で東南アジアや中国南部で収穫され少量ながら輸入品も在庫確認になります。
柔道場で使用する畳の多くは本来は床が15年以上使用されてた状態のクッション性の高いとして古い畳を使用しているのが本来ですが、近年は床の機械製造化で手作りされていたころより硬いため多くはクッション性の高い専用の建材床が支流です、これに合わせて表面の畳表も柔道専用に開発されています、これが洗える畳の表面の畳表で内部は水分を吸収しない樹脂製と聞いて今ます。
国内産より輸入品は少しお手頃価格ですが生産が機械化が出来ていないためややお高い点はご承知ください。
沖縄琉球畳表「ビート表」
本州ではあまり見られませんが沖縄県で三軒の農家が細々とビート草を生産していると言われ価格は時価になるとしか承知していません、ごくまれに沖縄料理店で見られますが気が付く人は少ないでしょう。
目積表「縁なし畳」
目セキ表はシチトウ表「琉球畳」の代替品として市場に供給されるようになりました、これは加工が困難でしたが縁なし畳として加工するために使える薬剤が開発されイ草を柔らかくすることが可能になり実現しました。
建材畳表[和紙畳]
和紙畳表は原料[不織マスクの材料と同じ]、一方では資源回収対象としている自治体も有るもののメーカーの回収ルートが無いため産業廃棄物として高額な廃棄処理費用が掛かります。
和紙畳表の代表的メーカーは積水と大建に新興メーカーの三社が有り、新興メーカー品は価格が安い一方製造工程を一部省いての低価格設定です。